飲食店が雨の日に集客し売上を増やす6つの方法
雨の日の集客を考える
高温多湿の日本列島で飲食店を経営されている皆さま。こんにちは。
統計によれば、全国平均で、年間に雨が降る日は117日。
3日に1日は雨が降るという計算です。
http://www.japan-now.com/article/188397124.html
雨が降れば、外出が減り、真っすぐ帰宅してしまう人が増えるので、飲食店にとって、雨の日の集客と売上をいかに確保するかは重要なテーマです。
売上は作るもの
私が大手総合スーパーに8年ほど勤めていたころ、次のようなことを教わりました。
商売は元気、活気、天気の3つの気を大切にしなければならない。
なんか、結婚式のスピーチで良く言わる「3つの袋」みたいですね。
面白いのは、ここに「景気」は入らないんです。
確かに、景気の良い悪いは商売に大きく影響しますが、だからといって自分ではどうしようもありません。
景気が悪いからと嘆いたところで、明日も商売を続けるのですから関係ないというわけです。
しかし、同じように自分ではコントロールできないものでも、天気はやり方によって商売に活かすことができます。
「今日は雨だから売れなくても仕方ないよね」と諦めるのと、「雨だからこれを工夫しよう」とアイディアを出すのでは、長い期間を通してみたとき売上に大きな違いが生まれます。
私が勤めていたスーパーでも、雨の日の工夫が沢山行われていました。
例えば、前日から雨が降ると分かっているときは、牛乳や水、トイレットペーパー、米など、雨の日に買って帰るのが面倒な商品の売り場が狭められ、その分を特売商品のスペースなどに変更していました。
また、営業中に突然雨が降ったときは、傘やカッパなど雨具が出口付近に運ばれて、その場で売られたり、衣料品の売り場では、購入された商品が濡れないように、袋を二重にするサービスをしていました。
こうした工夫は、雨の日だけではありません。
雪の日。
風が強い日。
台風の前日。
台風の翌日。
気温が高い日
気温が低い日。
天気が変われば、お客さんの行動は変わります。
それを見越して、細かく商品や売り方を変えるのです。
もちろん、いちいち商品を入れ替えたり、値段をつけかえたりするのは、めちゃくちゃ面倒です。
サボろうと思えばいくらでもサボれます。
しかし、その面倒な作業を行うことが、1%でも売上を伸ばすことに繋がり、最終的に赤字か黒字かを分けます。
雨が降ったから売上が落ちるのは当然。
そう諦めてしまい、何も行動をしないのは商人としていかがなものでしょうか。
売上は、”あがる”ものではなく、”作る”ものです。
天気によって売り方を変えるのは、どんなビジネスでも有効です。
飲食店が雨の日に集客する6つの方法
1.雨の日割引
雨が降ったら割引をするというのは、よく見かける手法です。
ありきたりですが、手軽に導入できるのでやっているお店も多いのではないでしょうか。
これを成功させるには、「雨が降ったら、あそこに行こう」と思いだしてもらうことが必要です。
そのためには、どんなに少量であっても雨が降ったら絶対に割引をしなければいけません。
よく、お客さんが申し出ないと割引をしてくれず、雨の日割引ではないのかと指摘すると、「あ、そうですよね。割引しますね」なんて悪びれもせず値段を変える店があります。
一見の客に割引をしたくないとか、少しでも利益率を上げたいという心理は分かりますが、これは最悪です。
お客さんは、他人から卑しいとか、ケチくさい思われたくないので、自分から割引して欲しいとは言いだしません。
しかし、内心では、「雨の日は割引って言ってたじゃないか。騙された。もう来ない。」と毒づいています。
これでは、せっかく逆効果です。
雨の日割引をやるからには、それを徹底することが重要です。
2.アクセスを改善する
店舗ビジネスは、基本的に雨が降ると客足が落ちるのですが、一部の大型スーパーやショッピングセンターは、逆に売上が伸びるお店があります。
その理由は、「雨が降っているから自転車で買い物に行くのは嫌だ」というお客さんが、車で来店してくれるからです。
もちろん、「駐車場の完備」というのはハード面のことなので、いまさらどうしようもないのですが、お客さんが来れない理由を消すという意味で、少しでも雨の日の交通アクセスを改善するべきでしょう。
例えば、タクシーの領収書や割引をするとか、最寄り駅まで送迎をするとか、近所の駐車場と提携して駐車料金を無料にするといった方法があります。
また、これからお店を構えるとか、2号店の出店を考えているのであれば、雨の日のアクセスという視点を入れて、立地を選ぶといいかもしれません。
3.雨の日だけのメニューを出す
うちのクライアント様のあるバーでは、雨が降った日だけ、特製のラーメンを出しています。
硬派な内装のバーなので、ラーメンは店のコンセプトとして合っていません。
しかし、雨の日は客数が少ないうえ、来店するのは常連客が多いので、食事も一緒にとれるようにと、ラーメンを提供するようにしたとのことです。
そして、それが結構おいしいので、雨が降ったらあそこのラーメンを食べるというのが、個の店の常連客の一つの楽しみになっています。
このように、雨の日にしか出さないメニュー」を作ることで、「雨が降ったらあれを食べに行こう」と思いだしてもらい、常連客の集客につながります。
4.雨の日の心遣いをする
多くのデパートやスーパーでは、雨が降ったことを従業員に知らせる暗号の店内音楽があり、それが流れると、雨の日のシフトに切り替わるようになっています。
例えば、購入した商品が濡れないように防水カバーをかける。傘を入れるビニールを用意する、出入り口に足ふきマットを用意する。といったことです。
こうした心遣いは、すぐに売上や客足に影響するものではありません。
しかし、そのちょっとした感動が店の印象となり、後の口コミの広がりに影響を与えます
無料でできることも多いので、あなたのお店で何ができるか、考えてみるといいでしょう。
5.ロイヤルカスタマーを育てる
足元の悪い中、わざわざ雨の日に来店してくれるお客さんは、あなたのお店のファンであり、最高のお客さんです。いわば、ロイヤルカスタマーです。
そこで、雨の日は、新規の集客の力を入れるよりも、そのロイヤルカスタマーにお礼をする日と設定します。
客数が少なければ、普段できないサービスを付け加えたり、ゆっくり雑談をすることもできます。
6.常連客に直接連絡する
雨が降ったら、メールやラインでお客さんに連絡して、お店に来てくれと誘うということです。
言うなれば、キャバクラ嬢の営業メールと同じです。
あるカフェのオーナーさんは、親しくなったお客さんとラインやメールアドレスを個人的に交換して、これを実際にやっています。
例えば、大雨の日に、次のようなメールを送るのです。
「雨で客足少ないので、冷蔵庫の生もの余りそうです。捨てるのももったいなから、ディナーを安くしています。暇があったら、ぜひ食べに来てください。」
こんなメールを送るだけで、必ず何人かが来店してくれて、売上を作ることができています。
もちろん、店の都合で売り込みを全面に出すと嫌われてしまうのは承知です。
だから、来店が不可能なほどの大雨の日は避けるし、半端な割引(5%引きとか)程度でお得だから来てくれなんてことも言いません。
あくまで、飲食店を経営している友人から、本当にお得なお知らせだから教えているという体をとります。
この手法は、個人的な繋がりを利用してもいいし、もっとシステマチックにメルマガを発行して行うこともできます。
例えば、焼肉チェーンの牛角は、メルマガを上手に使っています。
牛角のメルマガは、週に1回程度の配信なので、あまりうっとおしくないし、そのメルマガを見せると、アサヒスーパードライが99円とか、食べ放題が298円とか、半端ない割引なので、強い来店のモチベーションに繋がっていると思われます。
そして、街中でクーポンを配ったり、フリーペーパーに掲載するのと違って、メルマガの発行は0円でできるので、広告リスクもありません。
「工場を取り払ってもいい。顧客リストを残してくれたら3ヵ月後には同じものを作ってみせる」
こう言ったのは、アメリカの著名な億万長者です
江戸時代の反物屋も、お店が火事に見舞われたとき、真っ先に顧客台帳を持って逃げたそうです。
飲食店の場合も、メルマガやラインなどの顧客リストを作ることが安定した売上の担保になります。