小さなお店のマーケティング戦略「鮮度」について
今回は、商売の4原則の二つ目、「鮮度」について。
商売でいうところの「鮮度」には、二つの意味があります。
一つは、言葉通りの意味で、食材の新鮮さを意味する鮮度。
朝どれの野菜。水揚げされたばかりの魚。とれたての牛乳。
とーれとれぴ~ちぴっちカニ料理~、のそれです。
この意味での鮮度は、特に寿司屋や、高級なフレンチのお店ならば重要ですが、
ラーメン屋や焼き鳥屋など多くの大衆的な飲食店ならば、腐ってさえいなければ、
めちゃくちゃ新鮮である必要はないかもしれません。
しかし、二つ目の意味での鮮度は、どんな商売であっても重要です。
二つ目の意味での鮮度とは、「目新しさ」です。
人の関心は飽きやすく、常に新しいことを求めています。
それがわかる最たる例が、ニュースです。
毎日、新聞やネット、テレビで、次から次へとニュースが報じられていますが、
その情報のほとんどは、今日の出来事です。
本当なら、古くても重要な出来事の続報を報じるべきという意見もありますが、
そんなことを報じたところで、みんな飽きてしまって、興味を持ってくれません。
代わり、「桜が咲いた」とか「パンダの子供が生まれた」といった、結構、
どうでもいいことでも、それが新しいことならば、人々はそれに熱狂して関心を
持ちます。
この習性は、商売の現場でも使われています。
例えば、食品スーパーのレイアウトを思い出してみてください。
ほとんどのお店が、入口近くに野菜売り場があります。
これって、よくよく考えるとおかしいと思いませんか?
夕食の献立を考えるときは、肉にするか、魚にするか、または手抜きを
して惣菜にするかと、メインディッシュから決めるのが普通です。
そしてメインが決まってから、それに合わせる野菜や果物を決めます。
ならば、お客さんが最初に目に入る売り場は、惣菜や魚、肉の売り場で
あるべきです。
しかし、そうではありません。
その理由は、野菜売り場が一番季節を感じやすいからです。
タケノコや春キャベツがあると春を感じます。
スイカやトウモロコシがあると夏を。
松茸、梨、ぶどうがあると秋を。
ミカンやイチゴが並ぶと冬を。
そうやって、一番最初に目に入る売り場に季節を彩りを加えているのです。
それが鮮度です。
目新しいものがあることが、売り場の印象を作り、購買意欲を掻き立て、
また来店しようという気持ちを作りだすのだ。
ショッピングモールの取り組みも同じです。
あなたも、ららぽーとやイクスピアリなど、大きなショッピングモールに行ったことが
あると思いますが、いつ行っても、どこかのお店が改装をしていることに気づいている
でしょうか。
これも、次々にお店を入れ替えることで、モール全体の鮮度を上げているのです。
10年変わらず同じ店が入っているショッピングモールなんて、お客さんは飽きて
しまって、行く気になりません。
新しいお店があるから、何か変わったものはないかなと考えて、再び来店する
のです。
服屋の例も上げましょう
洋服屋の冬のバーゲンセールは、12月の上旬に行われます。
しかし、12月といえば冷え込みが厳しくなりだしたころで、ようやくこれから
コートやブーツなど冬服が必要になってくる時期です。
それなのに、冬物をさっさと売りきってしまう理由は、これも鮮度です。
寒くなってきて、誰もが冬服を着る頃には、お客さんの心理は、もう冬服に
飽きてしまっています。
そうなったら、もう売れないし、売れたとしても利幅はとれません、。
それどころか、あの店はいつも変わり映えのしない、センスの悪い店だと思われて
しまいます。
ファッションを売る服屋が、変わり映えしないと思われたら、致命的です。
だから、次々に商品を入れ替え、季節を先取りして商品を並べるのです。
2月の、まだ寒くて仕方ない時期に、薄手でパステルカラーの商品を並べるから、
お客さんは目新しさを感じ、興味をそそられるのです。
あなたのお店は、「目新しさ」という意味での鮮度にこだわっているでしょうか。
新しい商品。
新しいメニュー。
新しい飲み物。
新しいイベント。
新しい内装。
新しいことがなければ、お客さんは、すぐに飽きてしまいます。
追伸
ホームページで「新メニュー」、「季節限定メニュー」「イベントのお知らせ」を
することで、お店の”鮮度”をアピールすることができます。
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